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介護職なら知っておきたい!老人性難聴の特徴と、耳が遠い方へ話しかける際の注意点

高齢になると、体のいろいろな機能が徐々に衰えてきます。その変化の仕方や度合いは、人によって様々です。介護職に従事する職員は、高齢者の機能の衰えに対し、適切に対応しなければなりません。

高齢者の機能不全の中でも、特に多いのは聴力の衰えです。いわゆる「耳が遠い」という状態です。通所であっても入居施設であっても、耳の遠い方と接する機会は必ずと言っていいほどあるでしょう。高齢者介護をスムーズに行うためには、耳が遠い方への正しい対応の仕方を知っておく必要があります。

高齢者の難聴の特徴

聴力の衰えのことを「難聴」と言います。若い世代の人の中にも、何らかの理由により難聴になってしまった人は多くいます。しかし高齢者の難聴は、若い世代の人の難聴にはあまりないいくつかの特徴を持っています。

まず、高齢者の難聴はほとんどの場合、高い音が聞き取りにくくなります。ヴァイオリンの音やピアノの高音、自転車のベルの音などは、特に加齢による難聴の高齢者が聞き取りにくい音です。

人の話し声であっても、男性より女性や子供の声の方が、聞き取りにくいことが多いです。男性職員が話しかけるとスムーズに指示が伝わるけれど、女性職員が話しかけるとなかなかうまく支持が伝わらない場合、難聴が強くなっている可能性があります。そのような方に女性職員が話しかける場合は、ゆっくりと、なるべく低い声で言葉を発するようにしてみると良いでしょう。

また言葉には「母音」と「子音」があり、加齢による難聴の場合は子音の方が聞き取りにくい傾向があります。特にk、t、s、p、chなどは音として高音であり、耳が遠い高齢者の方は聞き取ることが困難です。例として挙げると、「てをたたく(tewotataku」が「えをああう(ewoaau)」のように聞こえてしまいます。耳の遠い高齢者に話しかけた時、聴こえる時と聴こえない時があるのは、難聴にこういった特徴があるためです。

耳の遠い高齢者に話しかける時は、単に大きい声を出すのではなく、子音を意識的にはっきりと発音すると良いでしょう。唇や舌をしっかりと動かし言葉を発すれば、高齢者の方でも、例えすべて聞き取れなくても大体の意味を察してくれる場合もあります。

「耳の聴こえ」は、高齢者のQOLに大きく影響します

介護のプロである介護職員は、高齢者の身体機能の衰えに合わせ、正しい対応を身に着ける必要があります。耳が遠い高齢者に対しては、適切な話しかけ方を心がけるようにしましょう。

しかしあまりに難聴が進んでしまった場合、話しかけ方などを工夫しても、コミュニケーションをとることは困難です。そのような場合は、家族や本人と補聴器の利用に関して相談する必要があります。

補聴器は1人1人の聞こえ方に合わせて調整をする必要があるため、専門店での購入がおすすめです。もし高齢者本人が専門店を訪れることが難しい場合、訪問での調整を行ってくれる専門店を探してみると良いでしょう。熊本などにある老舗の補聴器店、岩永補聴器は、病院や介護施設などへも専門のスタッフが来てくれるのでおすすめですよ。

岩永補聴器熊本店の公式サイトはこちら→https://www.iwanaga-co.com/shop/kumamoto.php

耳の聞こえが悪くなると、人と話すことがストレスに感じるようになり、コミュニケーションをとることを避けがちになります。高齢者本人の豊かで幸せな生活のためにも、耳が遠い場合は補聴器の使用を勧めてみても良いかもしれません。